白いタキシードの男
全国大会のアワード(褒賞)の時に、一際目を引いた男がいた。白いタキシードの男だ。彼は臆することなく、所属している青年会議所名を呼ばれると登壇した。司会者から促されて、挨拶をしようとした理事長が、
白いタキシードの男を一瞥して、彼にマイクを預けた。彼は、誇らしげに言った。
「自分は卒業生です(JCは40歳になると卒業します)。数年前、専務理事をやっていました。理事会の最中、理事長と大喧嘩して以来、JCの活動をせず、眠っていました」
会場の一部が笑った事を確認してから、彼は続けた。
「このまま眠ったまま卒業するのかな、と思っていたところ、お声がかかって目を覚ましてJCに戻りました。
戻った時に目の当たりにしたのは、当時80名いたメンバーは30名近くに減っており、メンバーはやる気と自信をなくしてました。行政からもナメられ、地域住民からも見捨てられ・・・JCは、こんなもんじゃない、
見せ付けてやろう!と思い、老体にムチを打って委員長として動き回りました」
振り返って、同じく壇上に上がった理事長とメンバーに笑顔を見せ、
「後輩たちに、立派なお土産を残すことが出来ました」
と語調を強めて挨拶を閉じました。
名前も知らない白いタキシードの男、カッコイイ!!


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